□誕生
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「マジでだ。そんな顔するなら『くれ』って言えばいいのに。」

「宗次郎。」

「まどろっこしい。・・・ごっそーさんです。あーおいしかった。」

「マジで全部食ったのか?」


結構大きかったケーキを一人で食べきった宗次郎は真実のベッドに寝転んだ。

まさか。


「お休みなさーい「ってさすか!!!」

「いいじゃないですか。僕は眠たいんですし。先輩らは片づけがあるんだし、ね。」

「手伝えや!!!」

「ヤダ☆」

「この・・・ねるな〜」


子供だ。

由美はため息を付いてゴミをゴミ袋に入れ始めた。

みんな片付けなかった理由はなんとなく分かる。

真実はこの夏の終わりに京都へ帰る。

逢えなくなることはないのだが、会うのは難しくなるだろう。

どうせ、駅で見送りするつもりだったので今日のところは誕生日会と言うことにしておいた。


(宗次郎が寂しがるわね)


なんだかんだいっても、一番懐いていたのは宗次郎自身だ。

見送りの日は報じで来れないらしい。

だから、できるだけみんな二人を二人だけにしてやろうと思っていたらしい。


(完璧に帰るタイミング逃したじゃない)


くそぅと由美はゴミをほる手に力を入れた。

その間も二人のベッドでの攻防戦は続いていた。


「俺は明後日帰るんだぞ!!!」







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