短
□乙女
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志々雄専用の夜伽役である駒形由美と十本刀の中で紅一点の本条鎌足は仲が悪い。
「あら、由美さん」
「ギクッ!!」
「お散歩かしら?」
「え……えぇ」
「一緒にいいかしら?」
「いいわよ。」
不自然な散歩が始まった。
黙って歩く事、約数十分。
そろそろ目的地である志々雄の部屋への扉が見えた時戦いの火ぶたが切って落とされた。
「由美さん」
「何よ…?」
「あなた、志々雄様に気に入られてるからっていい気にならないでよね!」
「はぁ?」
「あのね、志々雄様は私が好きなのよ。ただ、体が俺だからって遠慮してるだけよ。」
見当違いもいい所である。
「…志々雄様にそう言われた事があるの?」
「う゛……」
「あるの?」
「…」
由美さんの迫力により黙り込む鎌足さん
しかし、黙っていては始まらないので答える。
「言われた事ないわ。」
フンと鼻で笑う由美さん。
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