裏
□涙血
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今、目の前に座っている男の名は雪代縁。
白髪だけどまだ二十代なんだって。
娼婦としてお客さんの情報はここまで。
性癖だとなんだのはセックスしないと全くわからないのだ。
仕事だから仕方ないけど。
「……こんにちは」
「……」
「えっ〜と……」
「……」
「あの〜……」
「……」
「……」
どうしたらいいんだ!!
こんなお客さん初めてだよ〜(T-T)
私はどうしていいか分からずオロオロしたまま豪華なベッドに腰を下ろした。
「お前は……」
「はい?」
「なんでもしてくれるのか?」
「それが仕事ですから」
「……そうか」
それだけ聞いてまただんまり。
本当に困る。
変に触ると怒られそうだし……
「鬼ごっこしたい」
「へぇ?」
「鬼ごっこがしたい。」
「………いいよ」
お客さんの趣味はいろいろあるから合わせなきゃならない。
嫌な時もあるけど……
鬼ごっこは嫌じゃない。
彼が服を脱ぐから私も脱いだ。
「鬼は……」
「俺だ。」
「じゃあ、鬼に目隠しをして。それで追いかけるの」
シーツを破って私は簡易目隠しを作った。
裸になってなんの抵抗もなく彼は目隠しをされてる。
なんか子供もみたいで思わず笑みが零れる。
「笑っているのか?」
「子供みたいで……」
「そうか……じゃあ、今日は姉さんって呼ぶぞ」
「?いいですよ。私なんて呼びましょう?」
「好きに呼んでくれて構わない。」
私はそっと彼にキスした。
「鬼さんこちら。手の鳴る方へ」
それが合図になった。
何の合図かって?
私が地獄に行く合図だよ。
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