□拍手
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「しっしおさ〜ん。」

「うおぉ。」

「はぁ〜。暇ですね〜」

「暇だからって俺に飛びつくのはやめろ。腰が痛い。」

「年ですね。さすが、三十路です。」

「殺されたいか?」


まっさか、命は惜しいです。

と宗次郎は志々雄の頭の上に顎を置きながら呟いた。

後ろからタックルするように飛びついた宗次郎に呆れたように返すが、決して引き剥がすことはしない。

志々雄は手に持っていた方冶からの報告書を眺めている。


「なんですか?それ。」

「京都の自警団の構成員の見取り図だ。」

「ふ〜ん。僕が出ましょうか?」

「・・・ややこしいことしかしないだろ。」

「まさか。僕は志々雄さんには迷惑はかけませんよ?」


それがややこしいんだろう。と志々雄ため息をついた。

宗次郎はずるずると落ちてきて志々雄の肩に顔を埋めた。

肉の焦げたような臭いと熱過ぎる体温を感じる。


「志々雄さん。」

「なんだ?」

「・・・僕、志々雄さんがいればいいんですからね。」

「・・・」

「無茶とかしないでくださいね。」

「お前が無茶なんかさせないくせにな。」


それでも無茶するなと言うなら一体俺は何ができるんだか。

と志々雄はため息をついた。


「そこにいればいいんですよ。志々雄さんは。」

「それは意味ないだろ。俺は動乱に参加したいからここまでやってんだぜ?」


ニタリと笑った志々雄に宗次郎も笑いかけた。





END

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