短
□嫉妬
2ページ/7ページ
あの日
あの時
あの場所で
貴方に会わなかったら……
「志々雄さんに貰った懐刀です。この十年ずっと僕の宝物でした。」
僕は死んでいた。
貴方に出会った事もアイツらを殺した事も後悔などしてない。
けど、剣心の言う通りやり直す事が出来るならやり直したい。
誰も殺さない世界で。
「これを志々雄さんに返してください」
「!…坊や」
「由美さん。志々雄さんを頼みます。」
「わかったわ。坊やも気をつけてね」
「はい」
いつもの笑顔を由美に向ける。
一筋の涙を隠すように…
(僕は弱かったです。)
貴方の傍にいたかった。
最期まで貴方といたかった
でも
出来ないみたいです。
「さようなら…志々雄さん…」
宗次郎はゆっくりと泣き崩れた。
.