□嫉妬
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あの日





あの時





あの場所で





貴方に会わなかったら……


「志々雄さんに貰った懐刀です。この十年ずっと僕の宝物でした。」


僕は死んでいた。


貴方に出会った事もアイツらを殺した事も後悔などしてない。

けど、剣心の言う通りやり直す事が出来るならやり直したい。






誰も殺さない世界で。






「これを志々雄さんに返してください」

「!…坊や」

「由美さん。志々雄さんを頼みます。」

「わかったわ。坊やも気をつけてね」

「はい」

いつもの笑顔を由美に向ける。



一筋の涙を隠すように…



(僕は弱かったです。)


貴方の傍にいたかった。

最期まで貴方といたかった


でも


出来ないみたいです。



「さようなら…志々雄さん…」



宗次郎はゆっくりと泣き崩れた。






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