短
□殺意
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久しぶりに会ったあの男は女を連れていた。
姉さんとは正反対の活発そうな女だった。
「あれがあの男の弱点ですカ?」
思わず声に出てしまった。
傍にいた女が驚いた顔をしたが気にしないでおく。
あの男が惚れた女……
あの男が姉さん以外に心を許したと思うとムカついた。
姉さんを過去の人にしたのかと思ったら本当に腹がたった。
「俺はずっと覚えているのに……」
あの寒い冬の日の事。
気がつけば何故かあいつの女の前に立っていた。
「…」
「…どうしたんですか?」
姉さんに似ていない。
でも、身に纏う雰囲気は近いものがあった。
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