短
□理想
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「あれ?」
「どうした?宗」
「この辺に紙落ちてませんでした?」
「紙?見てないな。おい!方治、てめェは?」
「私も見てません。大切なものなのか?」
京都のアジトで事件は起こった。
先程から"おかしいなぁ。あれ〜?"とかいいながら志々雄の周りをうろついていた。
「その紙に何書いてたんだよ。」
「僕の理想郷です。」
ニッコリ笑いながらまた捜し出した宗次郎を誰もが不思議そうにみていた。
「なんでそんなもん無くすんだよ」
「えー。志々雄さんに見て欲しくて持って来たんですけど……無くしたみたいですね」
相変わらずニコニコしながら"残念です"とか言うので本当に残念がってるのかわからない。
「どんな紙なんだ?探してやるよ。」
「いいですよ〜。たいしたことないですから」
「探してやるって言ってんだよ。方治、十本刀を集めて探させろ。」
「志々雄さんが直接捜す訳ではないんですね」
「当たり前だろ。お前、俺に捜させるつもりだったのか?」
「地べた這いつくばる志々雄さん見てみたいと思ったんですけどね〜」
腹黒い笑みを浮かべながらちらっと志々雄を見たのだが、無視られた。
こうして十本刀を巻き込んだ捜索が開始された。
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