□理想
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広いアジトを十人で捜すのはさすがに無理があったので、志々雄の部屋から宗次郎の部屋までの間の廊下だけを捜す事にした。

もちろんのように、志々雄と宗次郎は志々雄お気に入りのソファーに座っていれだけだった。

何故か由美までも捜していた。

まぁ、志々雄の部屋の中だけをだが。


「見つかりませんわ、志々雄様。……って、坊やも探しなさいよ!」

「え゛ー、だって。志々雄さんが捜さなくていいって言ってるんですもん。ここは素直に甘えるべきでしょ?」

「貴方のでしょ!」


相変わらずニコニコしている。


「それに由美さんが四つん這いになってる姿なんて、なかなか拝めませんからね〜」

「変態!!」

「いい眺めですね〜。たまにはいいですね。志々雄さん♪」

「「………」」


廊下に半ば寝転がりながら捜してる他の十本刀を見ながら微笑んでる。

今度の今度は志々雄も何も言えなくなった。

今日の宗次郎は半端なく黒いオーラを出していた。


「おい、宗………」





パサ





「ん?」

「あれ?こんな所にありましたか。懐に入れて忘れてたみたいです。由美さん、ご苦労様です。」


少し屈んだ時に落ちた紙を拾いながら、宗次郎は何事もなかったように笑いかけた。


「っ〜……坊や!!」


この後、由美に長い事説教されたのは言うまでもない






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