短
□乙女
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「私は言われた事あるわよ。何回も」
「それはきっと嘘よ。」
「嘘って何よ!!言われた事もないオカマなんかに言われたくなんかないわ!」
「何ですって!」
めっちゃ低レベルな争いになってます。
お互い何も言わないまま、睨み合う事数分。
ようやく、由美が口を開いた。
「…志々雄様に聞きましょう。」
「そうね。それがいいわ」
「公平だし、何言われても文句は言えないはずよ。」
「そうよね。行くわよ!」
二人で勢いよくドアを開ける。
ドッカーン
「「志々雄様!!」」
「うるせーよ。お前ら、宗が起きるだろうがよ!」
「すみません。……え?」
「宗ちゃん?」
怒鳴られてビビったので一応二人は謝った。
が、"宗次郎"の名前に反応してよく見ると、志々雄に膝枕してもらって寝ている宗次郎がいた。
「「……」」
「で、なんだ?」
「いえ、何も…」
志々雄は気付かなかったらしいが由美と鎌足は見た。
宗次郎が薄目を開けて二人を見ていた。
そしてちょっと小ばかにしたような笑みを浮かべて、口パクで二人にこう告げた。
『僕の勝ちですね』
それから、しばらく宗次郎は由美とも鎌足とも口を聞いてもらえなかったらしい
end