短
□喧嘩
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由美の出て行った後の部屋の中は静かだった。
「……」
「………」
「…………」
気まずい沈黙がどれぐらい続いなのか、わからなくなった頃だった。
宗次郎が大きなため息をついた。
「あーあー。由美さん行っちゃった。」
「……」
「今日から、ご飯どうするんですか?」
「……」
「志々雄さぁ〜ん。聞いてますぅ?」
「っるせぇよ!!」
「もう、本当にどうするんですか?」
「ほっとけ。うるさいのがいなくなったんだ。せいぜいしたぜ。」
誰が見たってわかるような強がりを言っている志々雄を見て、宗次郎はいつも以上にいい笑顔だった。
全く、状況を把握出来ていない方治には話が見えなかった。
「宗次郎……」
「あっ。方治さんは何も見てなかったんですね。」
「…あぁ。志々雄様とあの女に何が?」
「みんなを集めてください。その時に説明しますね」
笑顔の宗次郎と理解出来てない方治は志々雄残して出て行った。
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