短
□接吻
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俺には姉さんしかいなくて
姉さんしか愛せなくて
なのに、俺は姉さんを守れなくて
自分の非力差をあの男以上に憎んだ
そして、十一年
やっとの思いで全ての準備が出来て日本に来てみれば
あの男には他の女が出来ていた
悔しかった
姉さんがあの女に負けたんだと思うと
憎かった
どうして、あの男ばかりが幸せになるんだろう
どうして、俺は
いつまでも、姉さんに縛られているんだよ
姉さん
俺も幸せになっていいかな
大丈夫
俺はアイツみたいに姉さんを忘れたりしないから
絶対に
忘れたりしないから
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