□嘘吐
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意外、志々雄は頭がいい。


「ややこしいですね……なんで、馬鹿じゃないんだろ?」


みんなに相談した所で完全にスルーされるだろう。

才槌は必ず見返りを求めてくるのは必至。

方治はまともに取り合ってくれないだろう。


「使い者にならないじゃないですか!」


なんのための、頭脳だ!


「あとは、馬鹿ばかり」

「誰が馬鹿ばかりやねん」

「あっ。馬鹿一号じゃないですか」

「誰が馬鹿一号やねん!わいや、張や!」

「……なんなんですか?忙しいんですけど」

「志々雄様騙すん手伝ってやろうか思うてな」


自慢げに胸を張る張に対し宗次郎は暗い顔で笑った。


「馬鹿一号にこんな事言われるなんて……僕の人生末期ですね」

「どーいう事やねん!」

「いいや、志々雄さん所に行こう……」


張を無視して元きた道を引き返した。








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