短
□散髪
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「いたっ」
「どうした?」
「目に髪の毛が入るんです。」
「……だいぶ、うっとうしい長さまで伸びたな。よし、切ってやる」
「何で、ですか?」
「お前のソレ貸せ」
川付近を歩いていた時だった。
突然、立ち止まる宗次郎に志々雄が声をかけた。
一度も整えてなかった髪はボサボサで、黙っていれば女の子の様に見えた。
適当な岩に宗次郎を座らせると、志々雄は宗次郎の腰にある脇差しを抜いた。
「こんなので切るんですか!?」
「安心しろ。ケガさせねぇようにすっから」
「でも………」
「ガタガタうるせぇぞ。……なんだ?信用してねぇのか?」
「信用してますよ…でも」
志々雄さんが刃物持つと殺されそうな気がします。
宗次郎は心の中で叫んだ。
(あーどうしよう。僕の人生終わったかも)
と、かなり失礼な事を考えていた。
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