□遠足
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『煉獄』への移動開始まで後一時間。


「あの、志々雄さん」

「なんだよ。」

「お腹減りません?」

「はぁ?さっき飯喰ったろ?」

「でも、減りましたよ。」

「仕方ねぇな。」


ほれッと志々雄は宗次郎に濡れせんべい(ただずっと前に買ったせんべいが湿気ただけの奴)を渡した。

宗次郎はしばらく見ていたが、それを志々雄の口に突っ込む。


「喰えるか!!」

「ウグッ」

「もー。なんなんですか!僕がお腹壊したらどうするんですか?」

「俺が壊れるかもしれねぇだろ!」

「志々雄さんなら大丈夫ですよ。妖怪だもん。」

「いい度胸じゃねぇか。宗、覚悟できてんのか?」


ゆらりと立ち上がり刀を抜く志々雄の頭を由美が後ろから小突く。


「遊ばないで用意してくださいまし。」

「はい………」

「アハハハ。志々雄さんが尻に敷かれてる!!!」

「宗の坊やも。何かお菓子でも持っていったら?」

「そうですね。」


お菓子は考えつかなかったですねと宗次郎は頷いた。

何を持っていこうかとアジトにあるお菓子倉庫内を思い出してみる。
















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