□遠足
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はいはい、と手を上げて宗次郎は声をあげた。


「なんだよ。」

「お菓子の予算はやっぱり300円ですか?」

「はぁ?」

「予算決めないと持って行き過ぎたりしちゃいそうで。」

「馬鹿か。」


今から重要な作戦が行われると言うのに遠足気分は困る。

由美はたまにはいい事言うなと志々雄を見た。


「お菓子の予算はだいたい500円だろ。」

「え?」

「へ〜。そうなんですか?僕は300円だって言われましたよ。」

「500円が相場なんだよ。」

「じゃあ、志々雄さんは500円分持って行くんですか?」


なんの話をしてるんだと由美は頭が痛くなってきた。

お菓子の予算の話をしている場合か!


「俺は極悪人だぜ?500円ちょとオーバーに決まってんだろ。」

「うわ〜。小さいですけど、悪いですね。」

「だろ?」


だろ?じゃねぇ。

思わずそう口走りそうになったが、やめた。

コイツらに構っていると可笑しくなりそうだ。

由美は隣にいた方冶になんとかしてと言って座り込んだ。


「すみませんが、志々雄様。」

「なんだよ。」

「『煉獄』により全財産の五分の三を注ぎ込んでしまったので、お菓子の予算は」

「「………」」

「250円までです。」

「はぁ?何ナメた事言ってんだよ、タコ!」

「250円は少ないですよ!」

「節約の為です志々雄様!ご辛抱を!!」

「できるかぁ!!!」


ぎゃーぎゃー言い始めた男共に由美はとうとうブチギレた。


「うるせぇー!!お菓子もなんもなしじゃあー!!!」


















「俺この組織抜けようかな。」


そんな幹部をみて本気で考える部下達だった。
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