短
□聖戦
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〜前編〜
「あの本条くん。」
「?・・・どうしたの?神谷さん」
冬休みも無事にあけ、新学期が始まって早二週間目。
鎌足は親族全員を説得し(かなりの無理はした。)女の子として学校生活をすることを許された。
そんな鎌足を呼び止めたのは、同じクラスの神谷薫だった。
「相談があるの。いいかな?」
「え?どうしたの?それより、相談するのは私でいいの?」
「うん。本条くんにしか相談できないの。」
そこまで言われて黙っている鎌足ではない。
わかったわと、頷くと不審そうに見ているクラスメートを無視して二人は教室を出た。
「珍しいなぁ。」
「張!!!」
「よっ」
「今日は寄れないってもし寄ったら伝えてよ」
「来れへんのやったらそれでええのに。」
「いいの。伝えてよ」
「はいはい。わかった、わかった」
よろしくねぇ、と鎌足は薫の手を引き張の前から去っていった。
「神谷ぁ、そいつは男やで!!!気ぃつけやぁ」
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