短
□遇然
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その頃、ぶつかった子ども。
宗次郎はニコニコしたまま誰も近寄らないであろう橋の下に来ていた。
最近、この橋で幽霊を見たと、噂になり誰も近寄らなくなった。
「ただいまです。」
「どうだった?」
「どうだったって?」
「見たんだろ?『人斬り抜刀斎』」
「はい、なんか。貧乏な顔してました。」
お前には言われたかないだろうなと、包帯男は笑った。
「どうだ?俺よりも強そうか?」
「う〜ん。強いってよりも『ござる』口調が似合いそうですよね?」
「なんだそりゃ?」
「なんでしょう?」
にっこりしたまま宗次郎は首をかしげた。
END