□誕生
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騒ぐだけ騒いだ後の静かさは、いつもの倍になる。

と、真実は思っていた。

いつもは一人だけの空間に何人もの騒がしい、別に仲がいいわけでもない奴らが来て。

嵐の如く部屋を散らかして帰っていった。

あの一般常識があったであろう不二までも。


「・・・ってか。あいつら何しにきたんだよ」

「それは・・・祝いに?」

「散らかして帰って祝いだ?お前ら頭沸いてんじゃねぇーの?」

「・・・だから、片付けてるじゃないですか」

「まぁ、駒形は・・・な」


今日は真実の誕生日。

夏休みだけど、せっかくだしとのことで狭い部屋に9人もの人が入った。

その片づけを二人でするのはなかなか酷なものがある。


「終わる気がしねぇ」

「頑張りましょう」

「そーですよ。埃とか僕アレルギーですから」

「お前はなんで居んだよ。居たら手伝えよ。それ。俺のケーキだろ!!!」

「・・・ふふっ。また、虫歯になっちゃいますよ〜。まこっちゃん」

「・・・誰に聞いたんだよ。」(参照:虫歯)


ゴミ屋敷化した部屋を片付けている二人に向かって暢気に声をかけるのはもちろん。

ホールケーキを抱えた瀬田宗次郎その人である。

甘ったるいケーキを一人で嬉しそうに食べているが、元々は鎌足が真実の為に作ってきたものである。

宗次郎のではない。


「くそ・・・俺、意外と楽しみに」









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