□誕生
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「男がケーキ一つで騒がないの。みっともない。」

「駒形にはわかるか!?俺がどれだけ・・・」

「はいはい。片付ける。」


どちらが先輩なのか分からない。

宗次郎は絶対に手伝わないつもりだった。

それを二人も分かっているので絶対に『手伝え』なんて言わない。


「俺の誕生日。」

「プレゼントはどうしたんですか?」

「・・・不二からはサボテン貰ってな。窓の方に置いてる。安慈からは『悟りを開く本』を貰って、蝙也からはどっかの割引券だろ?あの騒ぎで裂けたから使えねぇーけど。方冶からは『たのしいお菓子作り』っだけか?鎌足がどさくさに紛れて持って帰った。」

「持って帰ったの?結局?」


そういえば、帰るときやけにお腹を押さえていた気がしたが、そうだったのか。

欲しいとか言っていたような気がしていたのだ。


「結局な。うん。張からはなんかナイフ貰ったけど・・・。使えわないしな。鎌足のはもうあいつの胃袋の中だろ?何も俺の手元に残ってないじゃん。」

「ちょっと、僕からのプレゼント言ってないですよ。あげたのに。」

「あげた??アレが??親にも見せたことのない幼稚園のお遊戯会のビデオか?アレのことか?」

「可愛かったしいいじゃないですか。」

「よかないわ!!!!」


親が忙しくってこれなかった幼稚園の年中さんの時のお遊戯『ブレーメンの音楽隊』。

真実の役は泥棒役。










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