蛙軍曹

□雨の日の出会い
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ザァザァ


冷たい雨が、ぼくの体温を奪う


木の下で雨宿りしていても、雫はどんどん僕の服や髪に染みていく…


「うぅ…あんなに長く本屋さんにいるんじゃなかった…」


雨は弱まる所か一層強くなる一方だった


あぁ…どうしよう…頭がぼーってして来た…お熱出てるかも…


周囲に人気はなく、誰かを呼ぶ事も出来ない


明日また訓練所休む事になっちゃう…またケロロくんに怒られちゃうな…



段々意識が霞むなか、ふと、目の前に誰かが立っているのに気が付いた



だ…れ…?



ノロノロと見上げると傘を持った背の高い男の人だった


その顔を見た時、赤い幼馴染みの顔が浮かんだ


「…ギロ…ロ…くん」



そこでゼロロの意識は途絶えた










次に目を覚ますと、自分の部屋のベッドに寝かされていた


「…あれ…?僕…」

「ゼロロちゃん!気が付いたのね!」


側には今にも泣きそうなお母様の姿


「お母様…僕、どうやって…?」


確か僕は雨の中で意識が無くなっちゃって、その直前に誰かに会った気はするけど…


「親切な方がね、あなたをうちまで連れてきてくれたのよ」



親切な…


意識を失う前に見た男の人の事かな…

周りに人は誰も居なかったし…


「軍人さんだったみたいだけど、とーっても紳士的で優しい方だったわ」


ニコニコしながらお母様は言う


「あなたの事、酷く心配して下さってたわ、あまり無理しちゃ駄目よ……」


そう言って僕の肩まで毛布をかけてくれた






お母様が部屋を出て行った後、僕はぼんやりとさっきの男の人を思い出していた


えと…髪は…紫だったかな…

ぼんやりとしてよく思い出せない

でも…


「そういえば…あの人…ギロロくんに似てた…」


何となく、雰囲気が似ていた



あれは、誰だったのかな……







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