幻水 ティアクライス小説

vsアトリ編
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その日、暫くぶりにアトリが来た。

「やぁ、久し振り。 遊びに来て見たよ。」

「アトリ!!! 久し振りだな〜。元気だったか?」

久し振りにアトリが訪ねて来た。
前回はあまり話しをせずに帰ってしまったので
今回は少し話しができる時間を選んで来たらしい。

「そっか、じゃあ城の中でも見るか?」
「うん、そうさせてもらうよ。」

(ついでに、君の事についても聞かせて欲しいんだけどね。)

色々と、ね。


トビラ付近から去っていく二人の後姿を見て
ディアドラは何となく思った。

(あの子・・・・何か、気になるわね。)

情報を扱って商売をしていた頃の血が騒ぐ。

(少し、付いていってみようかしら。)
こっそり、後を付けた。



「ん・・・?ロウ。何しに来たんだ?」
「ようロベルト。あれ、皆いねーの?」

ここが2階の広場。
今はクロデキルド達が使ってるんだけど・・・

とロウが説明をする。

「・・・・誰だそいつは?」

アトリに気付いたロベルトが、尋ねた

「こいつは別の世界から来た・・・・」

「アトリです、こんにちは。」

ロウが名前を出す前にアトリは先手を打つ。

「へぇ、この部屋も広いんですね、今は一人なんですか?」

「あ、あぁ、今クロデキルド様達はでかけて・・・・。」

「あぁ、なるほど。お留守番役というわけですね。」

ぐさっ

ロベルトに何かが刺さったのをディアドラは見たような気がした。

「お、俺はなぁ、皆の留守を預かるという重要な−−−。」

「さ、じゃあ次に行こうか、ロウ。」

(無視かよ!!!)

「え、あぁ、ごめんロベルト、またな!!」

そう言ってロウとアトリは部屋を出た。

こっそりその様子を伺っていたディアドラは、思う。

(アトリの勝ち・・・っと。)

「何なんだあいつは・・・・!!」

残されたロベルトは
怒りをぶつける場所がないまま
しばらくそこに立ち尽くしていた。


(やっぱり、私の思った通りの人物のようね。)

(あのアトリと言う子。
ヌムヌといい勝負かもしれないわね。)



何となくアトリの考えを読み取りながら
こっそり後ろに着いていった。
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