幻水 ティアクライス小説

笑っているほうが好き
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俺が女になって引きこもった次の日。

俺は逃げていた。

行き成り告白されたり

結婚しようと言われたり

はたまた襲われそうになったり・・・・散々だ。


(冗談じゃない・・・。俺は男なんだ!!)

か、体は女だけどっ・・!!!

(もー、何なんだよ!他にもたくさんいるじゃないか、女がっ!!なんで俺ばっかり・・・!!)

それはロウが気をひくような行動を無意識にしてしまっているかだなのだが、
無意識なのでロウは全く気づいていなかった。


「ロウ殿、こちらへ。」

ふと、声が聞こえた

「メルヴィスかっ?」

声はメルヴィスの物だった。

「急げよ。追いつかれるぞ。」

その声に従う。

今はとりあえず、メルヴィスを信じよう。

さすがに襲われたりはしないだろうから。


後についていくと、着いたのはメルヴィスの部屋だった。

「はぁ、はぁ。助かった、メルヴィス。」

「全く、人をすぐ信用しすぎだ。」

どきりとした。

「め、メルヴィスも・・・・?」

「まぁあながち間違ってはいないが、急に言っても無駄だろう?」

さすがメルヴィス、落ち着いている。

ほっとした。

「全く、皆急すぎるんだよ・・・・。」

はぁ。もう、ため息しかでない。

「あぁ。急ぎすぎると成功するものもしないからな・・・。」

「・・・・・。別にゆっくりならいいとは言ってないぞ?」


なんとなく、気まずい。

きんちょーするじゃないか。

今思えば、メルヴィスの部屋に二人きりなわけだし。

俺は、女だし。

「や、やっぱ俺・・・・!」

部屋を出て行こうとする俺の腕をメルヴィスが掴んだ。

「お、おい、放せっ・・・・。」

「嫌だといったら?」

「困る!」

一瞬、間があいて

メルヴィスが、笑った。

「ははは、まぁそうだろうな。悪かった。」

何かおかしな事言ったか?俺・・・。

くすくすと笑うメルヴィスを見る。

(メルヴィスが笑うの、珍しいな・・・。)

いつも、冷静な顔だけど。

(笑うと、いいじゃん。メルヴィス。)

なぜか嬉しくなった。

でも、なんつーか、以外っつーか。

「メルヴィス、お前はもっと笑ったほうがいいな。」

思った事が口にでてしまった。

「・・・・そうか?」

あ、元にもどった。

(笑ってるほうが好きなのに。)

もったいない、と思った。

ぶつぶつと考えていると、いつのまにか後ろにメルヴィスが立っていて

後ろから、抱きしめられる。

「わ、何すんだよ!」

「ロウ殿も笑っていた方が可愛らしいですよ。」

だからずっと笑っていてください。

そういってまた微笑んだ。

俺、それに弱いかも。顔が赤くなりそうだ。




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またにょた主でした。やっちゃいました。
かっこいい人はほほえむとかっこいいと思います。

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