幻水 ティアクライス小説

時期外れにもほどがある
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異常気象。

名前の通り異常な天気のこと。

その日がまさにそうだった。

「・・・・・・・あぢぃ。」

一言。

ロウはその一言を言って机につっぷした。

今は会議中。これからどう攻めるかを決める大事な会議だったが。

(こうも暑くちゃ、意見なんてでねぇ・・・・)

ロウの頭は既に溶けかけていた。

そのロウの一言から、会議がぐだぐだになり始める。

「・・・・。暑いって言うなよ!俺達だって我慢してんだよ!!」

そう言うのは、ロベルト。

ロウはロベルトのほうに向き直って

「・・・服脱げば?」

「脱ぐか!!!!」

「じゃあ俺脱いでいい?」

「脱ぐな馬鹿!!!」

(暑いくせに、我慢しやがって・・・。)

ロベルト達の服なんて結構暑そうだしな。

それにしても、暑いものは暑いんだからしょうがないではないか。
この鎧、結構暑いんだって・・・。風通しがイマイチで・・・・。

「・・・・あれ、クロデキルドとフレデグンドは?」

先ほどから姿が見えないのに今更気付く。

その質問に、メルヴィスが答えた。

「涼みにいかれました。」

さらりと。

「・・・・・そか。」

あの二人を責めても意味がない。というかメルヴィスが怖い目で見ているからいえない。

「今日は一旦中止する?」

リウが聞いてくる。

「あー・・うん。そうしよう・・・。」

もう俺だめ、死ぬ。すぐ死ぬ。

「み、水ぅ〜・・・。」

水が欲しい。冷たい水が。

「はい、どうぞ。」

突っ伏した顔の横に、水の入ったコップが置かれた。

おいたのは、アスアドだった。

「あー・・・ありがと・・・。」

よいしょ、と気合を入れて座りなおし、水を飲む。

少しHPが回復した。

「はぁ・・・。アスアド、お前結構平気そうだな。」

水を持ってきたアスアドはケロリとしていた。

住んでいた場所の気候によるものか、それともその服が涼しいからなのか。・・・両方なのか。

「まぁ、慣れてますから。ロウ殿、大丈夫ですか?」

あんまり、大丈夫じゃない。

暑くてやる気がでない・・・。困った。

「うーーーーーん・・・・。」

なんとかならないかなぁ、と考えていると。

「近くに湖があるんだから、泳いでくれば?」

リウがそう提案する。
リウも意外と平気そうな顔をしていた。

「・・・・・・。ナイスアイディア。」




というわけで、泳ぎに来ました。

パンツ一枚で。

(水着っていうらしいけど。リウに着せられた・・・。)

「くあーーー!!!気持ちいいーーー!!」

滝から流れ落ちる水は、この気温で泳ぐにはちょうどいい温度だった。

頭まで水に浸かって、泳ぐ。

あー、ここの水は普段冷たすぎて入ったことなかったけど、かなり深いなー。

水辺付近はまだ浅かったが、少し奥にはいると足が届かない。

「溺れるなよー!?」

そう叫ぶのは、ロベルト。

結局ロベルトも服を脱いで、水に浸かっていた。

そんな俺達を眺める、メルヴィス。お父さんみたいだと思った。

「メルヴィスは、暑くないのか?」

「まぁ、少々暑いですが日陰にいるだけで大分違いますから。」

さすがメルヴィス。俺なんて日陰ですら我慢できないけどな。

「よし、ロベルト! どっちが早いか競争しようぜ!!」

「望むところだ!!」

そんな感じで時間が過ぎていった。

たまになら、暑い日があってもいいなと思った。

「へっへー、俺の勝ちだ、参ったかロウ!!」

「くっそー、俺の身長が足りないばっかりに・・・!」

「身長は関係ないだろ!」

「いや、ある。多分。」

ロベルトに負けたのはやっぱり悔しいから
今度シャバックに泳ぎを教わろうと思った。
海賊っていうくらいだからきっと上手いはず。


その日は一日ロベルトに自慢されまくった。

次は・・・・絶対勝つ。





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時期はずれすぎですね。
もう3月なのに結構寒いですね。
大阪は雪が降らないので長野生まれの自分としては少し寂しいです。

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