幻水 ティアクライス小説

大切な 約束
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目の前で

真っ赤な血が流れた


「ロ・・・・ロベルトっ!!!!!!」


叫びは空を裂いた

その場に倒れたロベルトの傍に急ぐ


「おい・・・しっかりしろ、ロベルトっ!!!」

あぁ、やめてくれ

流れないでくれ

お願いだから、ロベルトを死なせないで。

「ロベルト・・・ロベルトっ・・・・。」

必死に名前を呼んだ

ロベルトが、薄く目をあけて

口を開いて何か言おうとする

「馬鹿、しゃべるな・・・・おい、しっかり・・・・。」

「最後に、お前を・・・守れて・・・よかった・・・。」

「馬鹿がっ、最後なんかじゃないだろっ、ずっと傍にいるって、言っただろ・・・!」

約束したじゃないか。あの日、俺と。

「これからも、ずっと・・・俺の傍にいるって・・・・っ・・・!!」

涙は次から次へと溢れて

「俺を・・・守って死ぬなんて、そんなかっこいい死に方、認めないからなっ・・・。」

認めるものか。

お前が死ぬなんて、そんなこと絶対に、認めてやらない

「頼むから、俺を・・・置いて逝くなよっ・・・。」

ロベルトの返事は、なかった。


「う・・・・うわあああああっ!!」






視界がリセットされる

目を開けると、そこな自分の部屋だった。

「・・・・・っ・・・・!?」

全身に汗をかいていた。

「あ・・・ゆめ・・・・?」

思わず辺りを見回して、横に立っていたのは

「ロ・・・ロベルト・・・。」

ロベルトだ。・・・・大丈夫、あれは夢。

ちゃんと、生きてる。 落ち着け、俺。

「おい・・・・大丈夫か・・・・? 何か、うなされてたぞ、お前。」

ぎゅっと、ロベルトに抱きつく


生きている証を確かめるために

あの約束を思い出すために

今ここに、俺とロベルトは一緒にいるんだって事を。


「悪ぃ、ちょっと、嫌な夢見た。」

行き成りだきついた俺を、ロベルトはそっと抱き返してくれた

「・・・・俺は、お前を守って死んだりしないからな。」

「・・・・・・ロベルト、お前・・・・・。」

俺の夢を見たのか? と思ったけど。

「ばっか、お前が寝言さけんでっから、大体分かるんだよ・・・・そのくらい。」

真剣な声で。

「お前を、一人にしたりしないから。」

「あぁ。」

「・・・・何度でも、言ってやるぞ。」

「じゃあ、もう一度言えよ。」

もう一度、あの約束を

「愛してる、ロウ。ずっと一緒にいよう。」

その言葉に満足して、笑う。

「いつ聞いても、恥ずかしいセリフだなぁ。」

「お前が言わせたんだろうが! ・・・・全く。」

そうしていつもロベルトの顔は赤くなるのも、俺は知ってる。

今は抱きついていて見えないけど。


約束は形にはできないが

確かにそれはそこにあった。





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ちょっと、最初があれでびっくりされたらごめんなさい。
夢オチなんで許してください。
ぺこり。OTL

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