幻水 ティアクライス小説

風邪でお休み
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「けほっ。」

今日は少し調子が悪い。

この会議が終ったら部屋で休もう。

あまり酷いとロウに気付かれるから。

「リウ、風邪か?」

ほら。

「あ、うん、だいじょぶ。」

心配してくれるのは嬉しい。

でも、ロウに心配されたくないのが心情。

(これ以上、ロウに迷惑かけたくねーしな・・・。)

そう望むのに、あまり上手くいったためしがなくて。

「今日はもう休んでたほうがいいんじゃね?リウ。」

「うん、そうさせてもらうわ。」

ごめんな、ロウ。早く風邪治すから。心配するなよ。

ロウに笑いかけて、部屋に戻る。


「あーあ・・・俺の馬鹿。」

(もっと、しっかりしろよ。俺。)

こんな風邪程度で。

軽く眩暈がした。

熱が上がったのかもしれない。

もぞもぞとベットにもぐりこむと、すぐに眠気が襲ってきた。


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「うーん・・・・。」

体が重い。まだ熱がさがらない・・・のか・・・?

目を開けた。

「リウ・・・起きたのか。」

「ちょっ・・・ロウ、何してんだよ・・・・。」

重いと思ったのはロウが体の上にのっかっているのが原因だったようだ。

「ほら、薬貰ってきたぞ。」

「あ、ありがとう・・・って何して・・・・」

ロウはその薬と水を口に含むと。

「ん・・・!」

(おいおい、別に口移しじゃなくても・・・。)

まぁ、これはこれで嬉しいんだけども。

「・・・・・・。よし。」

「・・・・・・・。」

よし、じゃないって。全くびっくりするだろうに。

まさか口移しで薬を飲まされるなんて。

ロウは上からどいてくれないし。

「おーい、ロウ・・・重いんだけど・・・。」

「・・・・・・。早く元気になれよ。」

「・・・・うん。」

本当は風邪なんてひきたくもないけど。

やっぱりロウが心配してくれるのは、とても嬉しかった。

「・・・・・・なぁ、リウ。」

「・・・・な、なに・・・?」

「何か。違うところが元気になってんだけど・・・・。」

「・・・・・うそっ。」

確かに、さっきからなんかこう、あれだったけ・・・ど・・・・。

「なぁロウ、さっきの薬・・・・誰に貰ったのさ?」

「ユーニスに、元気になる薬くれって言ったらくれたんだけど・・・。」

元気に、なる薬ねぇ。

「おい、まさか・・・・。」

「だって、俺風邪ひいてんだよ?まさかこんなになるわけないだろ・・・。」

沈黙。

「とりあえずさ、ロウ。これ・・・なんとかしてくれない?」

「・・・・・・っ・・・。しょ、しょーがねー・・・。」

一体何の薬だったんだろう。



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「馬鹿は風邪ひかないとは言うけどさー。」

「ん?何か言ったかリウ?」

次の日、すっかり風邪が治った俺の隣で。

全然風邪がうつったようでもないロウがまったりしていた。

(ここは・・・普通風邪がうつって俺が看病するところじゃねーの?)

何でロウにうつらないんだっ。

「よかったな、風邪治って。」

ロウは無邪気に笑っていた。





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ユーニスさんについては言及しないでください・・・w

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