贈/宝

□先へ進もう
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「やっほー、ロウ。今日は何に行くの?」

今日も依頼をこなしておこうとおもって、
モアナに話しかける。

「うーん。じゃあこれー。」

適当に依頼を受けてから、考える

(あぁ、誰連れてこうかな?)

「いってらっしゃーい。気をつけてね!」

「あぁ、じゃあ行って来るな!」

モアナに返事をして、エリンの元へ向かう。


(・・・はぁ、俺、何してんだろ。)

歩きながら、思う。

最近はずっとこんな感じだ

依頼ばかりこなして。

先に進みたくなかった

もっと、やらなければならない事がたくさんあるのに・・・

誰かに怒られるんじゃないかと思ったけど
皆特に何も言わず、依頼を手伝ってくれている。

(あー、俺がこんなんじゃだめなのに・・・!)

本末転倒だ
いくら考えても、抜け出せそうになかった。
今は。

「あ、ロウさん。おでかけですか?」

「あぁ。ちょっと樹海まで。」

(樹海にいくなら、リウと一緒に行こうかな・・・)

そう思って。

「リウ、いる?」

「リウさんなら、つい先日でかけられましたよ。」

・・・・でかけた?

「え、マジ? 俺聞いてないなぁ・・・。」

「そうなんですか・・・。確か、ライシテルトのほうまで行くって・・・・。」

そんな遠くまで・・・?
何をしに行ったんだろう。

「そっか・・・・じゃあしばらく、帰ってこないなぁ。」

仕方ない。

「ちょっとルオ・タウ呼んでくれる?あとリン・レインも。」


俺に何も言わずに、そんな遠くまで行ってしまったと聞いて
胸に小さな棘のようなものがささるのを感じた。

その痛みが何なのかわからなかった

何で、こんなに痛いんだろう。


(リウはリウでやることがあったんだから、仕方がないじゃないか。)

俺がわがままばっかり言っているわけもいかない、と

ムリヤリその痛みを無視した。



「あ、ロウさん。宜しくお願いしますね。」

「リウ・シエンが居ない間、お前を支援する。」

「あぁ、宜しく頼むわ。」

じゃ、行こうぜー。

3人で、樹海へ向かう。

この仕事が終る頃には、
リウも戻ってきているだろう







「ただいまー。っと。」

しばらくぶりに城に戻ると、
そこにはリウがいた。

「ロウ、お帰り。」

「リウも、お帰り。」

ちょっとモアナに報告するから、待ってろよ。

さくっとモアナに報告して、

手伝ってくれた二人と別れる。

「助かった。サンキュな!」

「あぁ、別にかまわない。」

「えぇ、また力が必要でしたら言ってくださいね。」


その間待っているリウは
ずっとこちらを見ていた。

視線を感じる

「リウ、どうしたんだ・・・?」

「うん、まぁちょっとね。
 ロウ、お土産があるから俺の部屋まで行こうぜ。」

お土産?

「ま、ちょっとした、ね。」

リウがいたずらっぽく笑う

言われるままにリウに着いていった。

胸に刺さった何かは、まだ取れない。

「なぁリウ、何で急にでかけちゃったんだよ。」

俺に一言くらい言ってくれてもよかったじゃないか

「うん、ごめん。ロウに言ったら着いてきちゃうかなーとおもって。
 さすがに、ライシテルトまでお前を連れてくのも、さ。」


(・・・・・。)

そういう事じゃ、ないんだけどな。

リウの部屋に到着する。

「まぁ、本当は・・・・ロウには秘密にしておきたかったんだ。」

「・・・・え?」

それは。どういう意味なのか
また胸がちくりと痛んだ

「ほら、これ。」

見ると。

「これ・・・・真紅の晶石・・・・!」

確か、こっちの大陸じゃ手に入れるのは難しいって・・・

「リウ・・・・これ、どうしたんだよ。」

まさか、それを手にいれるために向こうまでいったんだろうか。

「ま、ちょっと遠かったけどさ。どうしても・・・
 ロウに、これを渡したくて。」

この石にどういう意味があるか、知ってるだろ?

と。

知ってる、けど。

「ロウ、今日お前誕生日なの覚えてる?」

「・・・・・まさか。」

いや、覚えてなかったんだけど。

まさか、今日俺にこれを渡すために?

「ロウ、覚えてなかったのかよー、自分の誕生日。」

リウが笑って言った

「ロウ。俺はずっとお前の傍にいるから。」

世界が滅ぶまで、ずっと一緒に。

「馬鹿、リウ。 俺がそんな事させねーよ・・・。」

胸にささっていたものは
いつのまにかなくなっていた。

「これで指輪でも作ってもらおっか。」

リウが思いついたように言う。
ちょうどアクセサリー職人がいるじゃん? と。

「・・・・いいけど・・・。恥ずかしくねー?」

「俺は、全然。」

「・・・・。まいっか。」

二人で笑いあいながら、ゴルヌイの元に向かう。

さっそく、おそろいの指輪を作ってもらいに。

すっげー、恥ずかしかったけど。




(そろそろ、先にすすまなきゃな。)

ずっと、このままで居られたらと思っていた。

永遠にこの時間が続けばと思っていた。

(馬鹿だなぁ、俺も。)

未来は変えられるんだから

先へ、進もう。

一緒に。









--------------
白恋の水鈴綾様にプレゼンツ!
相互、ありがとうございました〜!

こここ、こんな感じでよろしいでしょうか!
リウにとってはロウが全てくらいのイメージなんですが・・・。
文章にあまりだせないのが悔やまれます。

もらってあげてください〜v

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