贈/宝

□黒く染まった心
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その日から、俺は黒い鎧を着るようになった。

ベルフレイドに渡されたそれを、言われるままに着るのは嫌だったが、

今の俺には似合う色だと思った。

「よく似合いますよ、ロウ。」

どうせそう言うだろうとは思っていた。

無視しようかとも思ったが。

「あんたに言われても、嬉しくないね。」

そう言って、剣の先を向ける

「忠誠を誓ったとはいえ、あんたが嫌いなのは変わらねーよ。」

ベルフレイドの目がこちらを見ている。

「君はもう、私を殺せませんよ。」

「そんなの、やってみなきゃ分からない。」

俺は本気なんだから。

「そういう所は変わらないようだ。」

心では笑っていないくせに、笑いながら言う。

(剣を、しまいなさい)

そう言われた気がした。

ベルフレイドを睨みつけ、剣を収める。

「・・・それで。今日は何をすれば?」

俺は自分が呼ばれた理由を聞く。

「もちろん、あの村を制圧してもらうために。」



シトロ村の事だろう。

もう俺にとっての故郷ではなくなってしまった。

「・・・・・分かった。」

そう答えて、歩き出す。



何も感じなかった。




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シトロ村。

俺の故郷だった村。


何も変わっていないが、そこに俺の居場所は

もうなかった。


「ロウ様、私達も一緒に。」

協会の兵士達が言う。

「いい。俺一人で十分だ。」

「しかし・・・・っ。」

「いいと言っているだろう。お前達も死にたいのか?」


いい捨てて、一人で村に向かった。





考えていたとおり、すんなり制圧できた。

当然だ。

俺はこの村を知っていたんだから。

「さぁ、大人しく従え。」

目の前には、4人の人間。

俺は彼らを知っていても

彼らは俺の事は覚えていない。

「どうして・・・・涙が出るの?」

マリカは泣いていた。

「嫌、嫌だよ・・・傷つけるのが、嫌・・・・!」

「それで、どうするんだ・・・・?」

「分かった・・・。降伏する。」

ジェイルがそう言った。

他の皆もそれに従う。

「賢明な判断だ。」

俺の仕事は、それで終った。

協会の兵士たちは、成功した事を喜び、笑い会っていた。

俺は、嬉しいとかそんなことを、全く感じなかった。







「・・・俺、あいつを知っている気がする。」

リウは無意識にそう思った。

今にも涙がでてきそうだ。

他の皆も同じ気持ちなんだと思う。

「・・・とても冷たい目をしていた。」

それを思うだけで、こんなにも辛い。

「なんでかな・・・。辛いけど、嬉しいんだ。」

(生きていてよかった)

そう心が囁いた。





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ミクシーで
ナタさんの黒団長を見て
萌えて書いた物です。
萌えをありがとうございます。ハァハァ
なので、ナタさん、受け取ってください!私の気持ちでs(ry

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