贈/宝

□とどかない心の声
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覗いてみた窓の向こう

の神奈イツキ様の主人公の名前
「サーキス」で作成しています

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サーキス視点
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「メルヴィス。」

小さい声で、名前を呼んだ。

気付いて欲しかったけど

(気付いてくれるわけ、ねーよな・・・。)

俺の視線の向こう

クロデキルドと話しているメルヴィスがいた。

(やっぱ、言えねー・・・・。)

きっとメルヴィスは、クロデキルドが好きなんだと思う。

(あ、すっげー嬉しそうな顔・・・。)

クロデキルドと話しているメルヴィスは、

いつもの冷静な顔だけではなく、笑顔も見せるから。


当然だよな、俺とメルヴィスは男。

クロデキルドは、女。

勝負は目に見えてるだろ?

(それでも諦められないこの気持ちは、何なんだよ・・・・。)

胸が締め付けられるような痛み。

理由なんて考えてもわからなかった。


「サーキス殿、どうしたのだこんなところで。」

ふと、クロデキルドの声がして、顔をあげる。

目の前にクロデキルドとメルヴィスが立っていた。

「あ、あぁ、ちょっと見回り。」

嘘。

「そうか、ところでサーキス、メルヴィスがな・・・。」

クロデキルドが何か言おうとしたところで。

「っ・・・姫様、言わないでください・・・。」

メルヴィスが少し焦った様子でそれを止めた。

「・・・・何?」

メルヴィスに尋ねる。けれど。

「い、いえ、別に何でもありません。」

「全く、別にいいではないか・・・・。」

そんな会話をする二人が、恋人同士のように思えて。

ズキン

また 胸が一つ、痛みを叫んだ

「あ・・・俺、邪魔だよな、ごめんっ・・・・!!」

二人にくるりと背を向けて、走る。

目から、水があふれる。

あぁ、これは涙だ

悲しかった。胸が痛いほど叫んでいる

(メルヴィスが好き。)






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「っ・・・。すまない、メルヴィス。逆に余計なことを・・・。」

クロデキルドは落ち込んでいた。

自分のせいで、サーキスに勘違いさせてしまったようだ。

「いえ・・・・姫様のせいではありません。」

(俺が、伝えられないから。)

「早く、追いかけた方がいいのではないか?」

メルヴィスに相談を受けて、思った。

「やはり、言わねばサーキスには伝わらないぞ。」

彼には少しにぶいところがある。

「・・・・はい。姫様、ありがとうございます。」

では。

と、メルヴィスはサーキスを追いかけていった。

「難しいものだな。」

恋というものは。
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