贈/宝

□告白の場所
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白恋/水鈴綾様より頂き物

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主人公→ロウ




「遅くなったけど……今なら言える」

ロベルトは、ロウの目をまっすぐに見た。
強い眼差しが、本気の心を伝えていた。



「好きだ。好きなんだ、お前が」


そして目の前のロウを抱きしめようと腕を伸ばした。


……が。


「お〜いロウ〜、行こうぜ〜」

「ほら、ロウ」


あちらで手を振り、ロウを呼ぶのは言わずと知れたシトロ組の男子2人。
その視線を逸らした一瞬で、己と向き合っていたはずのロウは、ジェイルとリウの差し延べた手を取っていた。

「まっ………待て………!」

ロウを加えたシトロ組は、ロベルトの制止の言葉に気付かず、どんどん遠ざかってしまう。
伸ばした指先は届かず、追いかけようとしても、自分の両足は地面に縫い付けられたようにはがれることがなかった。

「待て、ロウ…………!!」

己からはなれゆく後ろ姿に必死に叫ぶ。それでもついにロウが振り返ることはなかった。
ロベルトはその場にがっくりと膝をついた。

「…………くそぉぉぉぉ!!!」

言いようのない敗北感でみちあふれ、腹の底から叫んだ……途端。





「喧しい!!」

ポカリと頭に衝撃を受けて、目が覚めた。

「…………な……っ?!」

ロベルトは一瞬状況を飲み込むことが出来ずに、軽くパニックを起こしてしまった。ガバリと勢いよく起き上がる。

…が、自分を殴ったのはロウで、ここはテハの村の宿屋の一室であり、自分達は交易品の買い付けに来たのだったと思い出すと、大きくため息をついた。

「…………夢か…………」

そしてロベルトのベッド脇で拳を握り締めて仁王立ちしているロウは、現実のようだ。

「どうしたんだよ、うなされてた上にすげぇでっけー声で叫んでたぞ」

殴った割には、心配でもあったのだろう。拳を解いて、ロベルトの頬に手をあてた。

「なっ…やめろ、触るな…っ!」

手を振り払おうとして、ロベルトはロウを見たが、逆に言葉に詰まってしまった。
月の光が差し込む室内は仄かに明るく、その光を受けてロウの銀の髪が柔らかな輪を纏う。


きれいだ。と、ロベルトは素直に思った。
純粋な瞳も、小さな鼻も、さくらんぼ色の唇も、ロウの人間性を表している大事なパーツだ。


先程見た夢は、己の不安が潜在意識から顔を出したに過ぎないことは分かっていた。

彼ら幼なじみへの、嫉妬。
認めたくない、恋愛感情。
置いて行かれそうな、疎外感。

ロベルトは頬に置かれた手に、自分の手を重ねた。
こんな月の光の綺麗な夜くらい、素直になってもいいだろう。
ロベルトはロウを引き寄せ、腕の中に抱きしめた。



「……………好きだ」



ロベルトは腕の中の愛しい人に、愛の言葉を囁いた。






end


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ぬたっく様へのお祝いです。とても遅くなってしまいました…orz


リクエストはロベ主ということでしたが…ロベ主というか、ロベ→主?でロベ不憫話…ですね、これじゃ…。

告白の返事はイエスであることを願います。



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ハァハァ。萌え・・る・・

ロベルトは不憫なのもなんかかわかっこいい・・・あれ?

顔がによっとしました。

水鈴さん、ありがとうございました!
^^

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