幻水 ティアクライス小説2

あの頃はゆっくり歩いてた
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それは、少しずつ変わっていた。


「ロウ・・・お前、でかくなったよなぁ・・・・。」


二人で歩いていると分かる。

ちょっと前までは歩幅がまだ小さかったのに、

今は俺と同じくらいで。

「何だよ急に・・・・。そりゃ俺だって身長くらい伸びるって。」

あの頃はまだ、俺より小さかったロウが

今では俺とほとんど変わらなくなった。

まぁ、俺自体もーちょっと伸びるんじゃないかと思うので、

追い越される事はない・・・はず。

「ロベルトくらい、すぐ追い越すっつーの!!!」

「ふん、言ってろ。」

ロウの後ろに回って、首に手を回す。

ちょうどよい高さだ。

「お前はそのくらいでちょうどいいんだよ。これ以上でかくなったら、後ろから抱きつけないだろ。」

「お前なぁ・・・。」

俺にのしかかられて、いやな顔をしながらも

その顔はなんとなく赤くなるところは、全然変わらない。

この性格も、まだまだ子供っぽいところも。

「ベットの中では可愛いくせに。」

「ッ・・・・・・・・・・・!!!」

ごすっ

腹にロウの肘がおもいっきり入った。

「・・・・っ・・・・てぇ・・・!!!」

無理やりロウから剥がされると、ロウは俺を置いてスタスタと歩き出す。

(別にいいだろーが・・・本当の事なんだから・・・。)

周りに誰もいないのだ。

もっとロウの近くにいたい。


深呼吸をして、ロウを追いかける


ロウの歩幅が、昔と同じになっていて、すぐに追いついた。


そうして今度は、俺が前にでて

「ほら、俺を追い越すんだろ?」

そうやってからかいながらも

差し出した手に、ロウの手が重なる。

一緒に繋いで、歩く。






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ロベ主〜
なぜかツンデレ成分がありませんが・・・・。
なんでだろ・・・OTL

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