幻水 ティアクライス小説2

こえる想い
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夜中、リウ突然目を覚ました。

自分でも驚くほど唐突に、前触れもなく

息がつまる。目を閉じても眠れる気がしなかった。

「・・・・ふぅ・・・。」

仕方なく布団を抜け出して、夜の城を一人で歩いた。

夜の風は冷たく顔をなでてくれて気持ちがいい。

逆に目が覚めるけど。


昼間にあれだけの人気があるというのに、さすがにこの時間に人の気配はない

他の人達の存在が感じられず、少し苦しくなった。

(やだなー。誰か起きてないかなー・・。)

歩いてるうちに、いつのまにかロウの部屋の前まで来ていた。

少し考えて、静かに部屋に入るとロウの寝息が聞こえた。

じっとロウの寝顔を見つめる。よく寝ている。

なんとなく悔しくて、リウはそのままもぞもぞとロウの布団にもぐりこんだ。

「ん・・・・。」

布がすれてくすぐったかったのか、ロウが少し目を開ける。

目の前に、リウの顔があった。

「・・・・・・・・・・・うわっ!!!」

「しーっ! ・・・ジェイルに気付かれるって。」

勝手にはいっといて何をいうのか、と 一通り考えた後でロウは思った。

「・・・なにしてんだよ・・・びっくりするだろ。」

「ごめん、ちょっと寝れなくて。一緒に寝ていい?」

「別にいいけど・・・・。」

なんかあったの? とロウに聞かれて、リウは、何もないよ、と答えた。

「ただ・・・さ、俺はロウが居れば何でも怖くないのかなーって思っただけ。」

だって、隣にいるだけでこんなに安心できる。

「ふぅん・・・・・?」

ロウは、リウがいつのまにか自分の手を握っているのに気付いた。

(・・・冷てぇ。)

軽く握り返した。

「・・・・期待してるぜ、参謀。」

そう言って、二人で笑いあう。

「ま、やってみなきゃわかんねーんだけどな。」

最後にいつもの言葉もつけて。


暫く手を握っていたら、その手は少しあたたかくなった。

(一緒に寝るのも、なんか久し振りだな。)

もう一度、目を瞑る。

ロウがもう一度眠りにおちるのと同時に、リウも目を閉じた。







「お前がいれば、俺は何も怖くない。」

「・・・じゃあ、俺達は無敵ってわけだ。」

レイがシエンに笑いかけた。

シエンはそれに満足し、レイにもう一度キスをする。



過去に同じ想いで伝えられたその言葉は

時間と世界を超えて、もう一度同じ星の元に届く。








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目指すのはせつないリウ主。
リウ主を書くときはいつもそうなる。
ラブラブもいいんだけどね!

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