幻水 ティアクライス小説2

眠れない夜の話
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もぞり。と自分の隣で寝ているロウが動く気配がして、

ロベルトはそろそろ眠りに落ちてしまいそうだった目を開ける。

「・・・・んだよ・・・。」

「・・・眠れねぇ・・・。」

こいつは何でこうも自由なのか。今に限ったことではなかったが・・・

「お前なぁ・・・勝手に人のベットに入り込んだのはお前だろうが。」

ごそり、ともう一度布団の中でロウが動いた。

目が合う。

「・・・・・・眠れないのか。」

「・・・・なんか、ドキドキしちゃって。」

それはどういう意味なのかと、眠さをこらえながら、ロベルトは頭で考えてみる。

「・・・・なんだよ、恥ずかしいのか?」

そんなの今更だ。

何度このベットで一緒に寝たんだっけ。

そんな事を考えながら、ロウの目を見る。

「・・・・・それも、ある。けど。」

微かに目の色に混ざる、暗い色。

「不安なのか。」

明日は最終決戦に出発する日。

誰も起こしてくれる人がいないから、とロウは俺のベットまでやってきたのだ。

自分で起きれるだろ、と言ったが、全く聞く様子もなく、俺のベットに潜り込んで

数十分たっても寝ようとしない。

「・・・・そう・・・なのかな・・・。」

珍しい、というか。

「お前が不安になってたら、周りも不安になるだろーが・・・。」

だからしっかりしてもらわないと困る。

俺はそう言ってロウの頭を撫でた。

「大丈夫だ、俺が一緒にいるんだからな。負けるわけないだろ?」

精一杯の強がり。でも、それは強がりだけじゃなくて

俺の確信だった。

こいつがいれば、俺達は負けないのだと。

「お前がしっかりしないと始まらないんだよ。俺も、皆も。」

だから、早く寝ろよ。

軽くロウの唇にキスをする

「ん・・・。」

喉を鳴らして、そのまま目をつぶったロウは

「ありがとう、な。」

そう言って、暫くして寝息を立て始めた。

それを見届けてから、ロベルトも目を瞑る。

隣に、一人の人間の息遣いを感じながら。




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ラブラブ・・・?
になったでしょうか。
へへへ。

ロベ主アンソロと聞いて書かずにはいられなかった。
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