ペルソナ小説

世界くらい変えてやる 陽介サイド
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基本的にさ

いつも 俺は気づくのが遅いんだ

前も、今回も。

でも今日はまだ遅くない

遅くないんだ




イザナミとの最終決戦。
ようやくここまできたのに
今日で全て終らせて
明日には笑ってあいつを送りだすんだって決めてるのに

焦りは 隙を生む。
まともに攻撃をくらう。
眩暈がした

「っ・・・・・」
(くそ、こんなことでへばってられっかよ!)
「陽介っ!!」
「先輩っ、花村のHPが少ないよっ!!!」
「天城っ、回復っ」
「わかった! メディアラハン!!!」
すぐに傷が塞がり、痛みが消えていく。
俺たちはまだ戦える。 必ず勝つんだ。
「サンキュ!!」

こっちは必死だっつーのに
向こうは本当にダメージを食らっているのかすらわからなかった
痛みなんてないのかもしれない
でも・・・
「ここで止まってられねーんだよ・・・!!!」
「行け・・・・っ! スサノオ!!!」

「ふふ、無駄だと言っているのがわからないんだね。
 こんな結末になってしまって残念だよ・・・」

あいつの声から感じる冷たい気
嫌な予感。
あいつは手加減している
心底この状況を楽しんでいただけなのか

「・・・なにっ・・・!?」
藤堂の足元から怪しい影が伸びる

「藤堂!!!!」
頭より先に体が動いていた。
こいつは 殺らせない

どん

藤堂に体当たりをして
影につかまった俺
一瞬で力が抜ける
ずぶずぶと、体が沈んでいく。

「陽介!!」
そんなに驚いた目でみるなよ、相棒。

今ならわかる
俺がどれだけこいつが好きだったか。
他の皆がどれだけこいつが好きなのか。

もう声がでない
笑いかける事しかできない
大丈夫
俺はお前を信じてるよ。
皆、お前を信じてるよ。

お前となら、なんでもできる気がするんだ
世界を変えるくらい。

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