ペルソナ小説

□いつか来るその日の前に
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どうしたらお前を引き止められるんだろう
どうしたらいつも一緒にいられるんだろう

町が平和になってから
残りの時間の少なさに絶望して。
俺達の絆はその程度で壊れるようなものではないけど

もっと一緒にいたい
その程度には大きくなってしまった。





「・・・行くなよ、って言っても無駄だよな・・・。」
答えは分かりきってたから。
「あぁ。・・・向こうでやることもあるし。」
俺よりも大事な事?
「そんな顔するなって。・・・・また遊びにくるし。」
そんな顔ってどんな顔だろう。
こいつの前で俺はどれだけ辛い顔をしているんだろう。
どうしようもできないから。

「結婚でもするなら一生でも一緒にいられるけどさ。」
「お前、俺は結構本気で言ってるんだぜ?」
冗談じゃなくて。
ずっと一緒にいたいって思ってるんだ

「・・・・じゃあ結婚しちゃおうか。」
・・・・それこそ冗談だ。お前が言うと本気か冗談かわからないけど。
こいつはいつも突拍子もなくて
でも俺が一番言って欲しい事を言ってくる。

「馬鹿、日本じゃ結婚できねーだろ。」
「知ってる。何なら留学すればいい。」
笑いながら。

あぁ、こいつは本気で言ってるんだ
そう思ってくれているんだと
今更ながらとてもうれしかった。

「まぁ、俺だって何も考えてないわけじゃない。1年たったら戻ってくるし。」
「・・・は?何で。」
「いやほら、ここからちょっと電車でいったとこに大学あるだろーが。」
あぁ、そういえばあったような気がする。
あそこならここから通える・・・・かもしれない。
「・・・・何の学科あるんだ、あの大学。」
「んーと、法律とか?」
「ぶっ・・・」
軽くいいやがって。一瞬でも一緒に通いたいとか思った俺の馬鹿。
「・・・・大丈夫、経済学科とかも会った気がする。」
「・・・大丈夫、じゃねーよ。お前は行けるかもしれないけどさぁ。」
藤堂はにこにこしながらこちらを見ている
「うっ・・・。いや、お前がそこに行くなら俺も行く。」
「うん、そう言ってくれるとうれしいな。」

あぁ、なんか
策にはまったような・・・?
(来年は受験か。俺もがんばらないとな、目標もできたし。)

「でも、お前も経済行く気なのか?」
「ん? ああ。 今の俺ならなんだってできる気がするね。知識5だし。」
(・・・5・・・?成績表の事かな。)
「まぁ、お前ならどこでも行けそうな気がするわ・・・。」
頭いいのは確かだし。
何でそんな事知ってるんだろうと何度思った事か。

「あー、そーなったらお前が社長で俺が秘書かな?」
「いや、逆だろうな・・・お前が社長で俺が秘書。」
「ははは!!!それありえる!!! あははは!!」
笑いすぎだろ

「俺は参謀に向いてるの!影から支えるタイプなの!」
「あはははは!! お前、本当に秘書タイプだわ!!あっはっは、おかしー」
全く、何がそんなにおかしいのか・・・。
笑われている俺としてはかなり恥ずかしい

「はは、でもお前ジュネスの息子だからやっぱ社長だろー。んー、じゃあ俺副社長がいいな。」
「・・・秘書は?」
「クマとか。」
「うっわ、それはない。 ないわー。」
「じゃあ奈々子。」
「むっ。それはちょっと賛成。」



そうやって時間だけ過ぎていって
本当にそうなったらいいな、とか思ったりして
残りの時間は過ぎて行く


やっぱお前が居なくなると寂しい。
今この時間で時計が止まってしまえばいいのに

未来を夢みながら
今だけを望む矛盾

「きっと幸せにしてやる。」
「うわ、マジくさい台詞。陽介らしくないぞ。」
そういってまた大爆笑された。

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