ペルソナ小説

□傍にいるだけで
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皆と別れて

家に着いて

あぁ、今日は一人なんだ

そう気づいてやっぱり寂しくて

普通だった日常が普通じゃなかったんだと自覚させられた

奈々子は何も関係ないのに
俺が巻き込んでしまったんだろうか。


心の中でぐるぐる回る
終らない答え

なんて女々しいんだろう


本当に身近だった人が
死んでしまうかもしれない?

それが考えられない
怖くて


それしか考えられない
辛くて

今までも耐えてきたはずなのに

家に奈々子がいないだけで
苦しかった

本当に終わりはくるのだろうか
この苦しみに

奈々子を無事に助けられるんだろうか

そればっかり考えて

だめだ、このままじゃ暗くなるだけだ。


誰かに大丈夫だって言って欲しかった。



自分の部屋で
制服だけ脱いで
布団に倒れこむ

もう寝てしまおう
もう苦しいのはいやだ
せめてテレビの中でシャドウを倒している時なら
気がまぎれるのに
そうして紛らわすくらいしか
今はできなくて
どうしたらいいのか
全然でてこなくて

自分がこんなに弱いとは思わなかった
口にはださないけど。

それが俺の今の精一杯
皆にこれ以上心配をかけないように
もっとしっかりしなければ。


夢を見た。
陽介がいて
大丈夫だよっていってくれた

お前はこんなところまできて
俺をはげましてくれてるのか。

どんだけ心配症なんだ
過保護すぎるくらい

でも今はすごく嬉しくて
胸が少しあったかく なった
嬉しくて泣いていた
夢の中で。


涙に濡れた顔を風がそっとなでてくれた
その風がとてもあたたかくて

目をあけると

「・・・・・・。」
陽介がいた。
あれ、夢だったよな?
「よう、相棒。鍵くらいちゃんと閉めろよ。」
閉めてなかったっけ?
「・・・・開いてるからここにいるんだろ・・・。お前らしくもない。」
そか、馬鹿だな俺。
陽介は何もいわなかった
何も言わなくてもなんとなくわかった
一生懸命俺を励ましてくれてるんだってことが
すごく伝わった
言葉がなくても伝わってるんだから。

そのまま陽介は俺をぎゅってしてくれた
恥ずかしいから何も言わなかった。

そうしているととても安心して
すごく眠くなって

気づいたら朝だった。

陽介は隣で寝ていた
ちゃっかり布団を半分借りて。



しょうがない、朝飯でも作ってやるか。

気分はだいぶましになっていた
誰かが傍にいるだけでずいぶん違うんだと思った。

それが今まで奈々子だったんだな。
ありがとう奈々子
必ず助けるからな

ありがとう陽介。
これからもよろしく。










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苦しさと嬉しさが表現できたらいいな。
あれは辛い。見てて辛かった。

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