ペルソナ小説

□ある猫のお話
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ある猫の話

稲葉市のジュネスには、
オレンジ色の毛をした猫が住み着いていました。(オス)

オレンジの猫は、時々ジュネスに遊びにくる
白いふわふわの毛の猫が大好きでした。(メス)
よく二匹一緒にご飯をたべたり、
一緒にお昼寝をしたりしました。
告白する勇気はなかったけれど、
その日々はとても楽しいものでした。

ですが、ある時突然白い猫は言いました

「あなたとずっと一緒にはいられない、私はもうここには来れない。」
そういって白い猫は去ってしまいました。
二度と、ジュネスに遊びに来る事はありませんでした。
元々は商店街に住んでいた猫でした。
商店街の人達が餌をくれなくなり、ジュネスに来ていたのでした。

商店街の人間達は噂をしています
じゅねすが悪いんだ
そんな日々が続いていました。

嫌気がさした白い猫は、町を出る事を決めたのでした。

オレンジ色の猫は、自分が振られた事がわかりました。
言えなかったけど、そういう事だとわかりました。
とても悲しくて、オレンジ色の猫はしばらく泣いてすごしました。

しばらくして、風の噂で白い猫が事故で死んでしまった事を知りました。

傷つくのが怖くなったオレンジの猫は
他の猫達の格好の標的になりました。
何を言っても言い返さず
ご飯を取られても何も言いませんでした。


しばらくそんな生活が続いていました。
そこに突然見たことの無い猫が遊びに来ました。(メス)
灰色のつやつやした毛の猫でした。
灰色の猫は友達になってくれる猫を探していました。
都会の猫は皆冷たいので、友達にはなってくれませんでした。
そこで稲葉市までやってきたのでした。

オレンジの猫は、灰色の猫と知り合いになりました。

しばらく一緒に過ごすうちに、二匹はとても仲がよくなりました。
オレンジの猫は、灰色の色がとても気に入っていました。
周りにいた猫たちとはちがう、落ち着いた雰囲気の灰色の猫は
見た目とちがって以外と気が強くて
でも実は寂しがりやで、かわいい猫でした
 
楽しい日々が過ぎていきました。
オレンジの猫にはとても心配な事がひとつだけありました。

灰色の猫が、白い猫と同じように自分から離れて行くかもしれないという心配がありました。
それはとても怖い事でした。
それが怖いゆえにオレンジの猫はいつも笑っていました。
灰色の猫が落ち込んでいるときにはいつも隣にいて慰めてあげました。

灰色の猫は分かっていました。
オレンジ色の猫が無理をしている事に気づいていました。
そしてそれが自分のせいであることもわかっていました。
どうすればオレンジ色の猫が本当に笑ってくれるだろう?
そんな事をずっと考えていました。


灰色の猫は、ある日決意をしました。
毎日のようにオレンジの猫と一緒にいたのに、その日だけは違いました。
オレンジの猫は一人ぼっちになりました
また一人になってしまったのだろうかと絶望しました。

灰色の猫はオレンジの猫に内緒で、
オレンジの猫の昔の話を聞いて周りました。
いつもオレンジの猫が抱えている物を自分も知る事ができれば
少し近づく事ができるかもしれない
そう思ったのです。

しかし、オレンジの猫の絶望はとても深く 深くなってしまいました。

またいなくなってしまったんだと思いました。
全部自分のせいだと思ってしまいました。
そして自分を見失ってしまいました。


灰色の猫がじゅねすに帰ってくると
オレンジ色の猫の姿がありません
それに、なにやら回りの様子がおかしいのです。
泣き声
叫び声
そんな声があたりにひびいていました。


灰色の猫が声のするほうに言ってみると
オレンジの猫が暴れていました。
いつもオレンジの猫に意地悪をしていた猫たちは
ことごとくオレンジの猫にやられていました。

オレンジの猫は、灰色の猫の姿を見ると
すごい速さで走って行きました。
灰色の猫は怖いと思いましたが、
大好きなオレンジの猫を傷つける事はできませんでした。
とびかかってきたオレンジの猫に灰色の猫は言いました。
「どんな事があっても、大好きだよ。」

灰色の猫は泣いていました。

オレンジの猫が今までどれだけ辛い思いをしていたのかが分かったから
その辛さを分かってあげる事ができない自分がくやしくて泣きました。
もっとはやく気づいてあげていれば、と後悔しました。
今のオレンジの猫はとても怖いけれど
ずっとずっと、一緒にいてくれたオレンジの猫の事が
灰色の猫は大好きでした。
それだけはこれからも変わる事はないとおもいました。


オレンジの猫は、灰色の猫が泣いている事に気が付いて
はっとしました。
自分は何をしているんだろうとおもいました。
大好きな灰色の猫を泣かせてしまった事に気が付きました。
そうして、そんな自分でも大好きだと言ってくれた灰色の猫が
オレンジの猫もとてもとても好きでした。
オレンジの猫も、一緒に泣きました。
今まで灰色の猫がくれた楽しい日々は
本当の本当だった事がわかりました。
これからもずっと、一緒にいられるとおもってとても嬉しくて泣きました。

ようやくオレンジの猫は心から信じられる友達を見つけたのです。







「ううう、いい話だねお兄ちゃん・・・。」
奈々子は少し泣いていた。
「・・・・・奈々子、この絵本はどこで・・・・。」
灰色の猫はメスと書いてあるが
心当たりが多すぎた。似すぎている。ていうかじゅねすって書いてあるし。。。
「商店街の本屋さんで買ったんだよ。」
「そ、そう・・・。」
俺は不思議な恐怖感を覚えた。
一体だれが書いたのか・・・。
それは誰も知らない。

・・・・・普通、作者の名前くらいあるはずなのに
何も書いてない本だった。















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私が書きました。(意味不明

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