ペルソナ小説

□図書館にて
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図書館にて 2日目。
(陽介サイド)


今日も藤堂と二人で図書館に勉強しに来たが、
めずらしく藤堂のほうが眠ってしまった。
えんぴつをもったまま、左手で頬杖をついて。

(器用な寝方・・・)

いままで藤堂は授業中あまり居眠りをしないとおもっていたが、
たまに止まってるのをみかけたのはこれだったのか。

(たまーに答え間違えるよな・・・それで。)

それにしたって寝るほうがめずらしいんだけどさ。

ただ目をつぶっているだけなのか、寝ているのか分からなかったが、
さっきからずっと動かないところを見ると寝ているようだった。
めずらしい事だったのでじっと顔を見てしまう。

睫毛が長くて、整った顔。
一番気になるのは前髪だ。眉毛見えないせいでこいつが何を考えてるかわからないんだきっと。

こっそり前髪を上げてみる。

「うは・・・」

なんつー穏やかな顔をしているんだとおもう。
無口でたまに分からないけど
こいつはこいつで俺が知らないうちに悩んだり悲しんだりもするんだろう。

そのくらい、俺が気づいてやれればいいんだけど。

相棒として。

でもこうしていると、何かそれだけじゃないんだよな。
なんだか分からない、この気持ちが。

あーもー、こいつが美形だからいけないんだ!
男も誘惑する魔性の男なんだっ。

「はぁ。」
ため息をついて、もう一度眺める。

「・・・・・。」
知らないうちに顔がにやけてた。
やべー、これじゃ俺まじで変な人だよ。
幸い図書館に居る奴らは自分の事に精一杯で
俺の事なんか頭に無かったらしく、にやけてるのは見られていない。


楽しかったり、嬉しかったり、ちょっと誇らしかったり。
こいつといるとそんな事ばかりで心が満タンになる気がする。


いつのまにか、俺も寝ていた。




「・・・・ん・・・・・?」
目を覚ますと、図書館だった。
寝てた。やばい。かなり寝てた。
ちょっと腕がしびれる。
あの体勢でよく寝てられるな俺!
「おい、陽介。起きろ!」
外が暗くなってきている
図書館に居る人もまばらだ
そろそろ帰らなければ、先生に怒られてしまう。
「うーん・・・・。・・・・やべっ!!!」
がばっと起き上がる陽介
まったく、起こしてくれるのならまだしも。
「お前まで寝るなよ・・・・」
「いや、悪ぃ。ははは。」

あまり勉強の効率は上がらなかった・・・。








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落ちなし。OTL
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