サイクル
□サイクル3
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「恭弥、迎えに来たよ!」
僕の両親は毎日仕事だから、僕は幼い頃から保育園通いだった。
保育園での生活はそれなりに楽しかった。
でも何より僕を嬉しくさせたのは…
毎日迎えに来てくる
母だった。
「今日の保育園はどうだった?」
「楽しかったよ!!あのね…今日ね…」
その日あったことを話す。これが日課だった。
何処にでもある親子の家庭
だった…
「あっ危ない!!」
僕の運命を狂わせた…
蛍光ピンク色のボール…
自分でも何をやったのかわからなかった。
ただ母をボールから守りたかった…
ボールは大きく迂回し、母は当たらなかった。
「お母さん!!」
振り返った母の表情…
今でも忘れない…
信じられないものでも見たような
そう、例えるなら…
バケモノを見る眼差し…
これが僕が初めて能力を使い、
最愛の人に捨てられた記憶…