サイクル
□サイクル1
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僕がこの組織に入ったのは2年前。
自分の能力を制御できない僕は、街の人々から「バケモノ」として恐れられてきた。
親には5歳の時に捨てられた。
近くで野球をして遊んでた子のボールが飛んできたから、母をかばっただけなのに…
それからは誰も僕に近付かなかった。
近づくと逃げていった…
この能力は使っては行けないと頭では理解できても、ついカッとなると近くの物を飛ばしてしまう…
僕は独りだった。
だけどそんな僕に一人だけ手を差し出してくれた人間がいた。
「君が雲雀恭弥くん?」
明らかに普通の人間ではない雰囲気を出している彼は、白蘭と名乗った。
「よかったらうちで働かない?」
僕を安心させるためか優しく微笑む。
僕はこの人ならと思って差し出された手をとった。
でも彼は
僕を実験対象者としてしか見てくれなかった。