サイクル
□サイクル5
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考えてみればこの2週間、僕はこの白い部屋(多分六道骸の部屋)から外には出ていない。
脱出を試みたこともあるが、いつも六道骸に見つかってしまうのだ。
だからこの部屋の外に何があるか分からないし、そもそも此処が何処なのかを全くわかっていない。
責任者と会えば分かるかもしれない。
そんな期待の下、僕ははじめて部屋の扉を開いた。
出てみると壁が全て大理石でできたなんとも立派な廊下があった。
此処が本当に科学施設…か?
ミルフィオーレの施設は病院を想像させるような造りだが、此処は…高級ホテルを想像させる。
「さぁ。こちらです」
廊下の突き当たりの扉の前で骸が言う。
扉の脇にはモニターがあり、骸がその前に立つ。
なるほど…セキュリティか…
それから『認識完了』と機械音声が言うのと同時に、僕の目の前の扉が開いた。
僕はゆっくりと中へ入って行った
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